現在、僕はアメリカのAutomatticという会社で日々世界のどこかでWordPressでサイトを作ろうとしていたり、すでに持っていたりしている人々のサポートをする仕事をしている。思えば、自分のWebサイトを作ってみようとHTMLやCSSを真似事のように学び始めてWordPressに出会ったのはかれこれ10年前ぐらいだろうか。それからというもの、時に仕事で、時にプライベートで、サイトを作っては壊してを繰り返してきた。
そんな中でも僕自身がずっと強い興味を持っているのは、個人が持つWebサイトだ。簡単にSNSのアカウントを作り、即座に自分の何かを表現し始められる昨今。仕事目的、プライペート目的かに関わらず、どれぐらいの人が自分のWebサイトというものを持っているのだろう。きっとその割合は決して多くないと思う。
Webサイトというのは持ち家のようなもので、SNSのアカウントは賃貸のようなものだと勝手に思っている。もちろんどっちがいい悪いというそういう話ではない。単純に性質の違いだ。
Webサイトが持ち家というのはどういうことか。まずは、住む土地を決められる。これは、自分でサイトを置くサーバーを選べるということだ。そして、次はドメイン。まあ、表札?といったところだろうか。その次は、家自体。持ち家だから賃貸に比べて、材質・レイアウトなど、自由度は高い。これは、Webサイトで言うところのデザインやインターフェース。さらに、自分がWebサイトを持つ利点の中で一番大きいと思っているのは、コンテンツを自分で所有しているんだという実感が持てるということだ。もちろん、自分のWebサイトなので、すべてが自己責任。間違ってサイトをぶち壊してしまう可能性もあれば、すべてがおじゃんになることだってある。しかし、それが起こっても自己責任だなと納得感が持てる。SNSのように急にアカウントが凍結されたり、コンテンツの内容によって利用規約に引っかかってしまうなどといったような、自分のコンテンツを誰かに握られているという恐怖感に駆られることはないのだ。「SNS使ってて、そんな恐怖感なんてないよ」と言われたら終わりだけど、少なくとも自分はどこかでSNSにそういう感覚を持っている。
もちろん、SNSは自分も好きだし、Webサイトと違った良さが数え切れないほどある。だから、結局自分も使っている。でも、自分のサイトを持ち続けていることはやっぱり心地よい。仮にそんなに更新していなかったり、過疎化してても。それはどこか自分がいつでも帰って来れる実家のようなもの。自分の作ったもの、考えていること、そんなものをとりあえず置いておけて、もしかしたらたまに世界の誰かが覗きに来てくれることもある。
Webサイトを作るというと、一昔前は中々面倒だったし、ある程度のコードの知識がある必要があったけれど、今となってはWordPressだけでなく、比較的簡単にサイトを作れるツールがたくさんある。めちゃくちゃいい時代だ。とは言え、SNSアカウントを開設するよりもなんだかんだ一手間も二手間もかかる。でも、その一手間、二手間をかけて、オンラインに自分の家をセルフビルドするというのは楽しいはず。今日のこの記事を見て、ちょっとやってみようかなって思ってくださる方がいたら、何となく自分も嬉しい。
というわけで、今日はこんなところで。